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#Webのこと · 2026.05.19 · 6 min read

WelCartプラグイン「Appropriate Postage」を実案件で使ってみた率直なレビュー

「Appropriate Postage」について

WordPress+Welcartで構築している食品系のECサイト案件で、送料計算プラグイン「Appropriate Postage」を導入する機会がありました。
米・調味料・水・お菓子など、重量も体積もバラバラな商品を扱うサイトで、複数個口の配送にも対応させたいという要件です。

事前リサーチでは「自動で箱小から箱大に変更」になるのはよさそうに見えたものの、実際に実装してみるといろいろと見えてきたものがあるので、同じくWelcart案件を手がける制作会社さんの参考になればと思い、正直なところを書いておきます。

Appropriate Postageへのリンクはこちらから

プラグインの概要

「Appropriate Postage」はWelcart専用の有料プラグインで、商品の体積(サイズ)に応じて適切な配送方法を自動判定してくれるのが売りです。

主な機能は以下のとおり:

  • 商品の寸法データをもとに体積を計算
  • 箱のサイズ(80サイズ・100サイズなど)ごとに送料を設定
  • 商品の組み合わせに応じて、収まるサイズの箱を自動で選択
  • 地域別の送料設定にも対応

通常のWelcart標準の送料設定では「重量ベース」「金額ベース」での計算が中心ですが、このプラグインを入れると「体積ベース」で柔軟に判定できるようになる、というのが大きな特徴です。
重さではなくて体積という設定ができるのは嬉しいですね。
軽くて幅をとるお菓子などは特に。

案件で求められた要件

クライアントから求められたのは、ざっくり以下のような送料計算ロジックでした。

  • 箱A(80サイズ)と箱B(100サイズ)の2種類の梱包資材を使い分ける
  • 箱Aに収まらなくなったら、自動で箱Bに切り替え
  • 箱Bにも収まらなくなったら、箱Aを追加して2個口配送
  • 判定基準はあくまで「体積」であって重量ではない

つまり、1個口(箱A→箱B)の自動昇格だけでなく、2個口配送(箱B+箱A、箱A+箱A、箱B+箱Bなど)まで自動で計算させたいというご要望です。
(現在こちらを手動でやっているので、かなり面倒と話されておりました。。。)

実際にやった設定作業

要件を満たすために、まず以下の設計と実装を進めました。

① 全商品の収容個数マスタを作成

取り扱い商品は約10種類。
それぞれについて「箱Aに何個入るか」「箱Bに何個入るか」をクライアントへヒアリングし、表にまとめました。
たとえば、お米5kgなら箱Aに2個・箱Bに4個、米粉なら箱Aに16個・箱Bに28個、というように。

② 配送設定の優先順位を設計

Welcartの配送設定に、以下5パターンを登録しました。

  1. 箱A(1個口)
  2. 箱B(1個口)
  3. 箱A+箱A(2個口)
  4. 箱A+箱B(2個口)
  5. 箱B+箱B(2個口)

③ 各商品マスターに最大収容個数を入力

商品ごとに、上記5つの配送設定それぞれに対して「最大何個入るか」を入力していきます。たとえばある商品なら、箱A:2個 / 箱B:6個 / 箱A+A:4個 / 箱A+B:8個 / 箱B+B:12個、というように合算した個数を入力。

④ テストパターンを作成して検証

各地域・各購入パターンで実際にカートに入れて挙動を確認しました。

ここまでで「いけるはず」と思っていたのですが…ここから雲行きが怪しくなります。

【本題】2個口配送でハマった話

テストを進めるうちに、想定と違う箱が選ばれる現象が出てきました。

たとえば、「箱B(1個口)で収まるはずなのに、箱A+箱A(2個口)が選ばれる」とか、
「箱A+A(2個口)で十分なのに、箱A+B(2個口)に流れる」といった具合です。
Welcartの配送設定で優先順位を上から並べているのに、その順番が無視されている。

これはどの部分を修正するべきか、開発元に問い合わせました。

返ってきた返答は「実は当プラグインは、複数個口への対応には不十分でした」とのこと。

公式サイトのFAQには「2個口の送料相応の金額の送料設定をご用意することで対応可能」と書かれているのですが、現実にはこれだけでは足りなかったと。
具体的には、

  • 配送方法の判定時にWelcartの優先順位は考慮されない
  • すべての配送方法について「占有率」を計算して、もっとも占有率が高い(=隙間が少ない)配送方法が選ばれる
  • 「最小の送料となる配送方法を自動選択する」という機能がそもそも存在しない

簡単にいうと2個口には対応していないとのことでした。箱小から大へは変更できるけど2個にはできないということですね。
有料プラグインになるので、導入するまで色々触ることができなかったので
クライアント様と一緒に試行錯誤した結果になります。

期待していた設定はできませんでしたが、開発元の対応自体は誠実さを感じさせてくれました。
仕様の不備をきちんと認めて謝罪し、現実的な回避策まで提示してくれたので、そこは信頼できるなと思いました。

まとめ:どんな案件に向いているか

実案件で使ってみての所感です。

向いている案件:

  • 1個口運用で完結する商品構成(箱A→箱Bの自動昇格までで足りる)
  • 商品ごとの寸法データを登録できる体制がある
  • 地域別×サイズ別の送料設定をしたい

慎重に検討すべき案件:

  • 2個口・3個口配送を自動で最適化したい
  • 「お客様にとって最安の送料」を自動選択させたい

複数個口を本格的にやりたい場合は、このプラグイン単体では難しいので、手動になるか配送方法を変えるかが現実的な落とし所ではないでしょうか。
Shopifyは使用したことがないので、この部分をどのように対応してるのか後ほど実験してみようと思います!

有料プラグインでしたが、自分自身の手で触れるとても貴重な機会でした。
勉強になりました!

Welcart×Appropriate Postageの組み合わせは、十分に強力なツールだと思うので、これから導入を検討する制作会社さんの参考になれば幸いです。